イギリスの国民食となったカツカレー 日本食チェーンレストラン「wagamama」がブームの火付け役に

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海外で日本食といえば、すし、ラーメン、からあげなどが定番となっていますが、最近ではこの定番メニューに「カレー」が入ってきました。

特にイギリスでは「カツカレー」が大人気です!

イギリスにある日本食レストランでは、必ずと言っていいほどカツカレーがメニューに載っています。

いつの間にかイギリスの国民食となったカツカレー。

今回は、イギリスでカツカレーが人気となった理由とその秘訣についてご紹介していきます。

イギリスでカツカレーが人気って本当?

イギリスでカツカレーが人気であることは間違いありません。

イギリスの国内を歩いていると、よく目にする日本食レストランは下記の4つです。

・wagamama
・Wasabi
・itsu
・Shoryu Ramen

こちらのレストランのメニューに、Katsu Curry(カツカレー)が載っています。

そしてこのカレーブームを象徴するのが、日本でも有名な「カレーハウスCoCo壱番屋」がロンドンにオープンしたことです。

2018年にロンドン中心部に位置するLeicester Square (レスタースクエア) に1号店がオープン。続いて2020年にショッピングストリートとして知られているBond Street (ボンドストリート)に2号店がオープンしました。

もちろん、CoCo壱番屋のメニューにもカツカレーが大きく写真付きで載っています。

すし、ラーメン、からあげも完全に日本語ですが、カツカレーも日本語です。今では、カツカレーと言えばイギリス人にも伝わるほど定着しています。

そもそもイギリス人はカレーが好き?

イギリス人にとってカレーは、とても親しみがある食べ物です。

イギリスにおけるカレーの歴史の始まりは、17世紀にまでさかのぼります。

1600年、エリザベス1世から特許状を得たイギリス商人たちが「東インド会社」を創立しました。この会社の創立目的は、インドを含むアジア各地との貿易を独占するためでした。

18世紀に入るとイギリスはインドの支配権をめぐってフランスと戦い、勝利を収めました。その後、インドのさまざまなスパイスがイギリスに伝わり、これらをブレンドして誕生したのが「カレー粉」です。

実はインドにカレー粉は存在しておらず、色々なスパイスを調合してカレーが作られています。これに比べ、イギリスで誕生したカレー粉はミックススパイスです。

これさえあれば簡単にカレーが作れるため、少しとろみのあるイギリス式カレーが作られるようになりました。カレーに対して長い歴史を持つイギリスでは、「月に2〜3回はカレーを食べる」というデータもあるほど、カレーは愛されています。

カツカレーブームの火付け役

カレーがイギリスの歴史に深くかかわっていたことから、イギリス人にとってカレーが親しみやすい食べ物であることがわかりました。

この事実に目をつけたのが、先にご紹介したwagamamaという日本食チェーンレストランです。

実は、このwagamamaがイギリスのカツカレーブームの火付け役だといわれています。

wagamamaはイギリス全土で149の店舗を展開しており(2021年時点)、この店舗数の多さはイギリス人の支持が厚いことを表しています。

wagamamaでのカツカレーの販売は、創業1992年から始まりました。当初は、ベジタリアン向けの野菜カツやヴィーガン向けに豆腐カツをのせたカレーを販売していましたが、2019年より辛めのカツカレーの販売を始めました。

また、コロナ禍のロックダウン中にwagamamaのシェフがチキンカツカレーのレシピをYouTubeで紹介したこともカツカレー人気に火をつけました。

今では、1日に約1万食のカツカレーの売り上げがあるとのことです。

日本のカツカレーの違いとは?

日本式とイギリス式カツカレーの違いは、大きく分けて2つあります。

1つは「カツ」、もう1つは「福神漬け」です。では、1つずつ見ていきましょう。

カツ

日本でカツといえば、基本的に豚肉のことを指しますが、イギリスではチキンが使われています。

そのため、メニューにChicken Katsu Curryと書いてあることがよくあります。

イギリスは移民が多く、イスラム教では豚肉を食べることが禁じられています。そのため、カツカレーのカツがチキンである方が、イギリスでは人々に受け入れられやすいのです。

福神漬け

日本式のカレーには、通常「福神漬け」が添えられていますが、イギリスから日本にカレーが伝えられた時にはピクルスが添えられていました。

しかしこのピクルスは当時の日本では馴染みがなく、日本人には受け入れられなかったようです。

そこで発案されたのが、大根などの残った野菜に味を付けた福神漬けでした。現在、イギリスで流行しているカツカレーに添えられているものは、お店によって異なります。

生の野菜サラダを添えてあるところもあれば、Japanese picklesとして赤い漬物を付けているところもあります。

カツカレーの今後

本来の日本式カツカレーとは異なるイギリス式カツカレーは、今後も独自に進化していくことが予想されます。

予想としては、2つのパターンに分けることができます。

ヴィーガン用食品

Vegan Societyの報告によれば、イギリスのヴィーガン人口は年々増えており、2019年には60万に達しました。また、イギリス人の半数(56%)がヴィーガン製品を購入したことがある、と答えています。

参考:https://www.vegansociety.com/

確かにイギリスでは、レストランやスーパーに行けば必ずヴィーガン用のメニューや商品が用意されています。

すでにヴィーガン用のカツカレーが販売されていますが、肉を食べないのがヴィーガンです。

チキンカツは使わず、豆腐を使った場合でもTofu Katsu Curryとしてヴィーガン用のメニューに載せてあるのも事実です。

カツカレーという言葉を使用した食品

カツカレーという言葉がイギリス全土に広まった今、チキンカツとごはんが使われていない商品が徐々に出回っています。

例えば、2021年に日本食チェーンのwagamamaは、カツカレーソースと果物をミックスさせて作ったkatsu smoothieの販売を始めました。

また同じ年に、イギリスのマクドナルドでもカツカレーチキンナゲットが6週間限定で販売されました。

この商品の特徴は、衣がついたチキンナゲットにカレーソースがついているため、カツカレー感が味わえるというもの。

Wagamamaのスムージーもマクドナルドのチキンナゲットもカレーソースを用いた商品であり、日本式のカツカレーとはかけ離れています。

今後もカツカレーと名乗りながらも、カレーソースを材料としたファストフードが開発されていくことでしょう。

まとめ

今回は、現在イギリスで流行中のカツカレーについてご紹介しました。

イギリス国内を歩いていると、カツカレーを提供する日本食レストランの多さに脅かされます。

もともとイギリスは歴史的にインドとの関わりが深かったため、カレーが好きな国民性と言っても過言ではありません。

イギリスで流行っているカツカレーは日本式カツカレーとは異なるものが多いですが、日本の味そのままのカツカレーも人気です。

おそらく、このカツカレー人気はまだまだ続くことが予想されます。

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