コロンビアという国から見る、日本の食との共通点

コロンビアは、日本から遠く離れた南米北部にある国です。

コロンビアと聞けば、サッカーやコーヒーがまず思い浮かぶかもしれません。しかし、コロンビアの食文化に目を向けてみると、意外にも日本と共通点があるようです。

今回は、あまりよく知られていない「コロンビア」についてご紹介したあと、「コロンビアの食が日本と似ている点」「日本と似ていない点」についてまとめていきます。

コロンビアという国の特徴

コロンビアは、太平洋とカリブ海に面した沿岸部、内陸部にアンデス山脈がある自然に囲まれた国。別名「生態系のゆりかご」と呼ばれています。

日本の3倍に値する国土面積をもつコロンビアですが、人口は約5000万人と日本の3分の1ほどです。コロンビアの首都はボゴタですが、この他にもメデジン、カリ、バランキージャなど複数の都市からなる国です。

観光

コロンビアで最も有名な観光名所は、石造りの街並みが残る「カルタヘナ」という場所です。世界でもっとも美しい街とも呼ばれ、1984年にユネスコ世界遺産に登録されました。

また、コロンビアにはきれいなビーチもたくさんあります。白い砂浜は観光客からも絶賛で、海水浴やシュノーケリングなど家族やカップルでも楽しめる観光地として知られています。またプールのような天然温泉も有名で、たくさんの自然を満喫できるコロンビアは、2019年に「World Travel Awards」より最高の観光地として賞をもらいました。

スポーツ

コロンビアではサッカーが盛んです。そのためコロンビアには、熱狂的なサッカーファンがたくさんいます。

コロンビアでサッカーが始まったのは、20世紀の初頭、イギリスとの貿易がきっかけだと言われています。1931年に国際サッカー連盟(FIFA)に加盟し、1936年には正式にコロンビアサッカー連盟(FCF)となりました。

もちろんコロンビアでは、サッカー以外のスポーツも盛んです。一つ例を挙げれば、アンデス山脈の地形を生かした自転車競技も人気があります。世界3大レースの1つである「ツール・ド・フランス」は、過酷な自転車レースとして知られていますが、コロンビアの選手もこのレースに参加しており、2019年には見事優勝を勝ち取りました。

コーヒー

コロンビアはコーヒー生産国として有名です。2022年時点では、生産規模世界第4位を誇ります。

参考)外務省「コロンビア共和国 基礎データ

日本でもよく知られているコロンビアコーヒーは、すっきりとしていて飲みやすいので、ブレンドのベースとしてもよく使われます。また、エスプレッソコーヒーとしても楽しまれています。

日本文化センターも存在

コロンビアの第2の都市であるメデジンには、「春のひなた」という日本文化センターがあります。このセンターの立ち上げに協力したのは、日本のEAFIT大学に留学経験のあるコロンビア人男性です。

「春のひなた」は、2022年2月にオープンしたばかりです。このセンターの目的は、コロンビアと日本を言葉と文化でつなぐことです。日本語教室の開催だけでなく、茶道のような日本文化に触れる機会も提供しています。

現在は、コロンビアと日本をつなぐ図書館を作るためにクラウドファンディングも行っています。

日本の食と似ている点

ここまで、コロンビアという国の特徴について紹介してきました。次からは、コロンビアと日本の「食」について見ていきましょう。

主食は米

コロンビアの主食は、日本と同じく米です。もちろん他の穀類も食べますが、コロンビアには米を使った料理がたくさんあります。ただ、米はメインとしてではなく、スープの具材や副菜として使われています。

コロンビアでランチに行くと、ほとんどのメニューがおかずと米のセットで提供されています。この組み合わせは日本食との共通点であり、日本人にとっても親しみやすいでしょう。

シンプルな味付け

コロンビア料理は全体的にあっさりした味付けが多く、濃い味付けはあまり好まれないようです。コロンビアで使用頻度が高い調味料は塩とこしょうで、この点は日本と似ています。

またコロンビア人に好まれる、とうもろこしやじゃがいもが入った煮込みスープの味付けもとてもシンプルで、素材の味が生かされた優しい味となっています。

ホルモンを食べる

日本でよく食べられているホルモンですが、コロンビアにもホルモンを使った料理があります。一番人気はもつ鍋ですが、レバー煮込みや揚げ物などの料理もあります。

ホルモンとは内臓肉のことで、コロンビア料理では、主に牛のホルモンが使われています。そのためコロンビアの肉屋には、牛のレバーや肺、胃袋が日常的に置いてあるようです。

日本の食と似ていない点

コロンビアと日本では気候と文化が異なるため、食において共通しないところがあります。

豊富なフルーツの種類

熱帯地方であるコロンビアには、日本では見られないトロピカルフルーツが一年を通じて豊富にあります。国産のため安価で手に入り、そのほとんどがフルーツジュースとして愛飲されています。

コロンビアに行けば、至るところに搾りたてのフルーツジュースを提供する屋台やジューススタンドがあります。砂糖の有無、ミルク割り、水割りなど、自分好みのジュースが楽しめます。

お茶を飲まない

日本でよく飲まれている緑茶や紅茶は、コロンビアのスーパーに置かれていない場合がほとんどです。コロンビアはコーヒーの生産国であるため、やはりコーヒーに出会う確率が高いです。食後に飲まれる飲み物としては、コーヒーもしくはハーブティーが挙げられます。

コーヒー以外では、前述したフルーツジュースやホットチョコレートがコロンビアでは好まれています。飲み物に関しては、日本とは大きく異なっているようです。

肉がメイン

首都ボゴタは内陸部にあるため、魚を食べる機会が少ないようです。その代わりとなるのが肉です。

コロンビアでよく食べられている肉の種類は、牛肉・鶏肉・豚肉の3つです。ただ、コロンビアの牛肉には和牛のような柔らかさはなく、筋が多くて硬めです。また、ほとんどの肉が骨付きのため、骨部分を手で持ってかぶりつくのが一般的な食べ方です。

また、ソーセージもコロンビアで人気のある国民食の1つです。そのため、屋台やスーパーでもソーセージが購入できます。コロンビアのソーセージは、日本のものより少し長く、野菜やハーブが入っているのが特徴で、とてもおいしいと評判です。

まとめ

コロンビアという国は、自然の恩恵を受けた観光大国であることがわかりました。スポーツに関しては、サッカー以外にも自転車競技が盛んで、世界大会においては、コロンビア人の優勝者もいるほどでした。

そして、おいしいコロンビアコーヒーは、現在世界中の至るところで飲めるようになっています。都市メデジンでは、日本文化センターがオープンし、コロンビアと日本の関係をさらに近づけるきっかけを与えてくれそうです。

食事情については、両国に似ている点がありました。主食が米であること、味付けがあっさりしていること、ホルモンを食べることは注目すべき共通点でした。似ていない点としては、コロンビアには日本以上にフルーツの種類が多いことが挙げられます。

意外にも日本と食事情が似ていることがわかり、コロンビアにさらに親近感が持てそうですね。

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