ヘルシーフードとして「セイタン」がオランダで注目を集める 日本食人気の高まりで豆腐、カニカマ、パン粉もスーパーに
皆さんはオランダで「セイタン」という食材が人気なのを知っていますか?日本でセイタンは料理のわき役として使用されますが、オランダではメイン料理として大活躍しています。
この記事では「セイタンについて」や、「オランダでなぜセイタンがウケているのか」など、まだまだ日本では知られていないセイタンの可能性について紹介します。
そもそもセイタンとは
「セイタン」とは日本で言う「麩(ふ)」になります。
海外にセイタンが伝わったのは1920年代ごろで、桜沢如一(ジョージ・オーサワ)という日本人が広めたとされています。名前の由来は「正しいタンパク質」の略と言われており、今やセイタンという名で加工された麩が日本へ逆輸入されているほどになりました。
セイタンにはタンパク質とミネラルが豊富に含まれており、グルテンのようなモチモチとした触感が味わえるので、ビーガンやベジタリアン、ダイエット中の人にも人気を博しています。
なぜオランダでウケているの?
ビーガンやベジタリアンが多いオランダでは、セイタンが様々な食材の代用品として使用できる人気が高まっています。今では肉や魚を摂らないビーガンにとって、セイタンは無くてはならない食品となりました。
次からは、セイタンがオランダで普及している理由について詳しく確認していきましょう。
現地スーパーでも手に入るから
オランダのスーパーでもセイタンは簡単に手に入れることができます。
商品は粉状の物から固形状の物までバリエーションが多く、値段は物によって5ユーロ前後(約700円)で販売されています。
値段は日本よりも高めになりますが、ヘルシーで色々な食材の代用としても使え、健康にも良いのでセイタンを購入する人は年々増えています。
ヘルシーフードとして人気だから
セイタンはタンパク質とミネラルが豊富なうえに脂質も低く、「ダイエットにおすすめなヘルシーフード」「ビーガンやベジタリアンでも食べられる肉や魚の代用品」「アレルギー持ちの方でも食べられる炭水化物」として幅広く知られています。
ほとんどの店ではセイタンの隣には豆腐が並んでおり、オランダ人にとってセイタンは豆腐などのように健康食品の一部であり、同時に日本を代表する食材であることが伺えます。
日本ではオーガニックスーパーなどでしか見られないセイタンがオランダでウケているのは少し不思議でもありますが、健康意識・環境意識の高いオランダ人からするとセイタンが本場日本で知られていないことの方が不思議なのかもしれません。
オランダでのセイタンの活用方法
現地では、セイタンをどのような調理法で食べているのでしょうか?
オランダではビーガンやベジタリアンの為のレストランやカフェが多くあり、そこでメインとして使われているのがセイタンです。
ここからはセイタンがどのような使われ方をしているのか詳しく解説していきます。
肉の代用品として
まるで肉そのものを食べているような弾力があるセイタンは、肉の代用品としてよく使われます。
オランダのアムステルダムにあるレストラン「ウィート.プレイ.ラブ」ではセイタンをメインにしたメニューを出しており、一番人気はセイタンを使用したバーガーだそうです。アレルギーがある人や動物・環境保護の為にビーガンになった人などでも、肉の触感を味わえるセイタンはいわば救世主なのかもしれませんね。
メニューは豊富にあり、セイタンを使用したスペアリブやソーセージ、ハムなどがあります。
魚の代用品として
セイタンは魚の代用品としても使用されています。セイタンを使用することで面倒な下ごしらえをする手間が省け、魚のような生臭さも無いので快適に調理することができます。
魚のムニエルやイギリスで有名なフィッシュアンドチップスなどの代用品としてセイタンが使われています。
ちょっとしたトッピングとしても使える
セイタンを使用したソースはフライドポテトやBBQチキンにぴったりです。
オランダのスーパーでは粉状のセイタンも販売されているので、好みの調理方法でセイタンを楽しむことができます。ソースの他に、ピザやパンのトッピングでセイタンを使用しているレストランも数多くあります。
ピザ生地にしてセイタンを楽しむ
セイタンはピザやパスタなどに含まれるグルテンを原料としているので、触感や味は普通のピザ生地と何ら変わりはありません。普通のピザ生地とセイタンを使用したピザ生地の違う点は、セイタンの方が糖質・脂質が低く、健康的であることです。
ピザ生地でも使用でき、ピザのトッピングでソーセージやソースなどを作る際にもセイタンを使用することができるので、肉や魚が食べられない人には嬉しいですね。
他に人気の日本の食材は?
日本食材は健康で美味しいと評判なのでヨーロッパやアメリカでも人気があります。
もちろん現地のスーパーで購入すると日本で購入するよりも値段が高くなりますが、出費を惜しまないくらい日本食品を選ぶ方が多いのです。
ここからは、今回紹介したセイタンの他にオランダでどのような日本の食材が人気なのかを紹介します。
豆腐
豆腐は欧米でも名の知れた日本の食材として有名です。ヘルシーで季節に関係なく様々な食べ方が楽しめる豆腐はオランダでも大人気となり、現地のスーパーには日本よりも豊富な種類の豆腐が販売されています。
スパイシー味やトマト味のように加工された豆腐や肉の代用品としてミンチ状に加工された豆腐など、ビーガンやベジタリアンをターゲットにした商品などが多くあります。
カニカマ
意外にもカニカマは欧州でも人気で現地のスーパーでも手に入ります。
環境保護の意識が高いオランダなので、カニカマは小分けで包装されておらず、数個がまとめてパック詰めされた状態で販売されています。
オランダでは魚介類は値段が高めで、魚屋や市場でないと種類がありません。なのでカニカマのようなちょっとした食材がスーパーで手に入るのは、現地民からすると嬉しいのかもしれません。
最近人気沸騰中のパン粉
最近では欧州の現地スーパーでも「PANKO」という商品名で日本のパン粉が販売されています。
揚げ物で使用するとカリカリな仕上がりになるので欧州でも好んで使用する人が増えています。
味は日本のパン粉と変わりませんが、キメが細かくパン粉に近い商品やフレークが大きすぎる商品など、製造会社によって違いがあります。
まとめ
日本のお麩であるセイタンが、遠く離れたオランダで大人気の食材となっています。肉や魚などの代用品として重宝されるセイタンは、ビーガンやベジタリアン料理に欠かせない食材になっているのにも関わらず、日本ではその事実があまり知られていないことがなんだか勿体ないような気もしますね。
日本にビーガンやベジタリアンに合ったセイタンなどの食材を使用した商品がもっと増えると、日本への関心を持つ人がより増えるでしょう。