プノンペンが日本食の激戦区に 魚料理や米を好む共通点も好影響

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カンボジアという国は、東南アジア最大の文化遺産であるアンコールワットがあることで有名です。季節を問わず、多くの国から観光客がカンボジアを訪れています。そのカンボジアで今、日本食が人気を集めているのはご存じでしょうか?

カンボジアでは空前の日本食ブームが起きており、日本食をテーマにした多くのレストランが軒を連ねています。日本食とはほど遠いように感じるカンボジアでなぜ、日本食が注目を集めているのでしょうか。

この記事では、日本から飛行機で10時間ほどのカンボジアで日本食が人気になった背景やどのような日本食が人気なのかなどを解説していきます。

カンボジア料理の特徴

カンボジア料理はどういったものがあるのかご存じでしょうか?同じ東南アジアのなかでもインドネシアのナシゴレンやタイのガパオ、ベトナムのフォーなど有名な料理はいくつもあります。カンボジア料理って何がある?と聞かれたらとっさに答えられる人は少ないのではないでしょうか。

日本ではあまり、なじみのない料理があるカンボジアですが、東南アジアの国でなぜ、日本食が人気を集めているのでしょうか。

日本との共通点はあるのか、カンボジア料理の特徴を見ていきましょう。

主食

カンボジアでは主食としてお米を食べる習慣があります。種類としてはインディカ米やもち米を食べることが多く、料理に応じてお米の種類を変えています。

主食として食べられているインディカ米は、日本米と比べると粘り気が少なくパサパサとしているため、炒め物によく合います。一方、もち米はクローランと呼ばれるカンボジア特有のお菓子にされたり、バナナの皮で包んで作るちまきにして食べられたりと、デザートに使用されることが多いです。

お米を使用した料理としては比較的、バリエーションが多い印象を受けます。

メイン料理

カンボジアでは昔からクメール料理というカンボジア特有の料理が親しまれています。クメール料理は淡水魚を使用した魚料理が代表的です。

カンボジア特有の調味料としては、魚を発酵させてペースト状にしたプラホックという調味料がよく使われています。このプラホックは日本で例えると味噌や醤油のようなもので、料理には欠かせないカンボジアを代表する調味料です。

これらを見てみると、魚料理が豊富な点やお米を好んで食べる点、料理に応じてお米の種類を変えるなど、日本食とクメール料理との共通点は多いようにも感じます。

カンボジアで日本食が人気を集めている背景

気候も生活スタイルも違うカンボジアで、日本食ブームが起きているのにはどんな要因があるのでしょうか。

人気になっている背景には主に次の2つが挙げられます。

日系企業の進出

カンボジアではここ数年、製造業をはじめとした日系企業のカンボジア進出が著しく増加しています。今では2000社近くの日系企業が進出しており、日本との関わりも大きい国となりました。日系企業の進出にともなって2015年以降から、日本の飲食企業の進出が目立つようになりました。

日本食は日系企業に勤めている方からの人気はもちろんですが、現地のカンボジア国民からの支持も多く集めています。

魚料理と日本食との関係

カンボジアという国は東南アジアのインドシナ半島のほぼ中央に位置している国です。そしてインドシナ半島を代表する大河のメコン川が国土を縦断しております。そのメコン川で取れる魚を使った料理が人気を集めており、魚を使った料理は日本食と相性がいいということが理由に挙げられます。

日本食には魚を使った料理が多く存在し、健康食としても広く認知されています。それにともなって魚が豊富に取れるカンボジアでも日本食が広まっている要因ではないでしょうか。

プノンペンの日本食レストランの割合

カンボジアでは200店舗を超える日本食のお店が存在し、なかでも首都であるプノンペンに集中しています。地方都市でも日本食のお店は存在しますが、数える程度しかありません。

プノンペンは日本食の激戦区とも言われるほどに、カンボジアには日本の食が国民に浸透しているのがうかがえます。

カンボジア人に日本食がウケる理由は?

カンボジアで日本食の人気が出ている理由は、「もともとカンボジアが親日国だから」ということがいちばん大きいのではないでしょうか。

あまり知られていませんが、カンボジア紙幣に日本国旗が印刷されるほどの親日国です。そのこともあって日本食が国民のなかで浸透しています。

また、日本食は純粋においしいからといった理由もありますが、多くの人から健康食として認知されていることも大きな要因と言えます。健康食ということもあって一般層から富裕層まで幅広い国民から親しまれています。

プノンペンで人気の日本食5選

プノンペンでは多くの日本食レストランが存在していますが、どのようなジャンルの店舗が人気なのでしょうか。主にカンボジアで人気のジャンル5選をご紹介していきます。

寿司

日本でも幅広い世代の人から愛されているお寿司がプノンペンでも人気を集めています。お寿司と言えば回転寿司を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

カンボジアでも回転寿司には多くのファンがいますが、それよりも人気を集めているのが板前さんが直接握るお寿司です。いわゆる回らないお寿司が多くの人からの支持を集めています。「おまかせ」で注文することがカンボジアの富裕層では流行しています。

焼肉

カンボジアでは焼肉屋も多く、お店によって特色が違います。

A5ランクの和牛を使用した焼肉屋や日本の春夏秋冬を意識した焼肉屋、開放的なテラス席で食べられる焼肉屋など、バリエーション豊かな店舗が揃っています。

日本同様に食べ放題の焼肉屋もあるため、世代関係なく、店内は多くの人でにぎわっています。

ビュッフェ

カンボジアの飲食業界では食べ放題形式、いわゆるビュッフェスタイルのお店が多くの人気を集めています。

カンボジアでは特殊な鍋を使用して鍋と焼肉の両方を同時に楽しめる「プノンプルーン」と言われるカンボジア特有のビュッフェスタイルが確立されています。この「プノンプルーン」はクメール語で「火山」という意味があり、提供しているお店は国内のいたるところに存在して、国民に親しまれています。

また、回転寿司のように寿司やお肉、野菜などが流れてきて、テーブルの鍋でしゃぶしゃぶができる食べ放題などもあり、日本とは少し違ったスタイルの食べ放題が目立ちます。

うどん

日本を代表する麺料理であるうどんがカンボジアでも人気です。日本でも有名な丸亀製麺もカンボジアに進出しており、カンボジア国民からも広く愛されています。

カンボジアで提供されているうどんは日本とは少し変わった部分で人気になっているのが特徴です。カンボジアの多くのうどん屋ではトッピングの種類が多く、タレやソースなどで自分の好みの味にアレンジできる点がカンボジア国民にウケている理由でもあります。

定食

日本ではおなじみの定食ですが、カンボジアで人気になっていることはあまり知られていないジャンルではないでしょうか。

かつ丼やカレーライス、焼きそば、鉄板焼き、ステーキ、焼き魚など日本では一般的な定食メニューがカンボジアで人気を集めています。日本で気軽に食べられる定食は海外のカンボジアでも気軽に食べられると人気です。

また、日本の大手居酒屋チェーンとして有名な和民もカンボジアに進出しており、店舗展開をしています。カンボジアでは居酒屋というよりはレストランとして国民に認識されており、定食屋の定番となっています。

まとめ

この記事ではプノンペンでの日本食について見ていきました。文化遺産であるアンコールワットを知ってるという方は多いと思いますが、カンボジアの食事について詳しく知っている方はそこまで多くないのではないでしょうか。

カンボジアでの日本食に触れて、カンボジアという国に対してのイメージも変わったのではないでしょうか。日本とはあまり関わりがないように感じる国でも日本の食文化は広く浸透しています。

今、カンボジアでは空前の日本食ブームが起きているので、もっと多くの日本食のジャンルをプノンペンで見てみたいですね。

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