韓国で注目される日本のカレー、その理由や韓国のカレーとの違いなど

カレーは日本で「国民食」として、広く親しまれている料理です。お隣の韓国でも、カレーはよく食べられており、スーパーマーケットの棚にはカレールーのコーナーがあります。また、大衆的な食堂のメニューでカレーを目にすることも少なくありません。

近年では韓国でインドカレーなどの専門店も増加している一方、「日式(日本式)」と呼ばれる日本のカレーも注目を集めています。世界的に見れば、カレーを習慣的に食べる国は決して多くなく、インドおよびその周辺諸国と、イギリスのようにインドとの歴史的な関係が深い国が主体となります。

日本も韓国も、インドとの歴史的な関係は決して深いとは言えませんが、イギリスから伝わってきたカレー粉をもとに、カレー文化を大きく花開かせてきました。そんな韓国で、なぜ今日本のカレーが注目を集めているのでしょうか。今回は、そんな韓国のカレー事情についてお伝えしていきます。

韓国のカレー事情

韓国では、カレーは日本同様「カレー」と発音します。これは英語の発音である「カリー」あるいは「カァリィ」に由来するものではなく、日本語の発音が韓国語に取り入れられたものです。

一方で、インドカレーなどはカレーではなく「コレ」と、英語由来の名前で呼ばれています。これは日本や韓国の「カレー」と「コレ」とは別物に見られていることを示唆しています。

韓国のカレーの歴史

韓国では、いつからカレーが食べられるようになったのでしょうか。

韓国に日本のカレーが伝わったのは、20世紀前半とされています。第二次世界大戦が終結する以前のことで、当時の日本や韓国では、カレーは一部の富裕層のみが味わえる高級な料理であり、一般的とは言えませんでした。

大戦の終結後も、1950年に発生した韓国動乱(朝鮮戦争)で国土が荒れた韓国では、主食である米を国民が十分に食べることができない時代が続きました。こういった背景もあり、カレー粉が開発され、カレーライスという形でカレーが韓国で普及するまでには、かなりの時間を要することとなりました。日本で国産のカレー粉が登場したのは1905年のことですが、韓国では1969年と、そこから60年以上待つことになります。

日本のカレーは韓国各地に浸透

その後、軍隊や学校給食を通して、徐々にではありましたが韓国にもカレー文化が浸透し、発展していきます。やがて、韓国でもカレーは食堂のメニューにも加えられ、家庭でも広く食べられるメニューとなりました。

韓国で広まったカレーのオリジナルとも言うべき日本式のカレーも、21世紀に入ってから徐々に支持を集めています。世界各国に店舗を展開している日本の「CoCo壱番屋」は、ソウル首都圏を中心に店舗展開を行っています。

地元企業も負けていません。日本のカレーを提供する「あびこ」は、離島である済州(チェジュ)島を含めた韓国各地に店舗を展開しています。個人経営の飲食店でも、日本のカレーを提供するところは決して珍しくありません。

スーパーマーケットの棚には、在来の韓国カレーの粉やルーだけでなく、日本からの輸入品であるカレールーが豊富に並ぶようになりました。ソウルや釜山(プサン)などの大都市圏以外でも、そして家庭でも、日本のカレーを食べることは決して難しくなくなってきています。

なぜ日本のカレーが注目を集めるの?

日本のカレーが韓国で注目を集めている理由を知るために重要なのが、韓国における日本食の位置づけです。

以下、詳しく見ていきましょう。

韓国における日本食ブーム

韓国で日本食が定着したのは、ソウルオリンピックが開催された1988年以降で、著しい経済発展を遂げ、民主化を達成した時期と重なります。その後何度かの日本食ブームを迎えますが、基本的には高級志向の日本食や地酒を中心にしたものでした。

その後、2010年頃から日本式のラーメンやうどん、丼ものといった大衆食を扱うチェーン店が進出を開始、新しい形での日本食ブームを引き起こしたのです。

本格進出した日本のカレー

そのような中で、日本のカレー専門チェーン店も韓国への進出を果たします

また、日本のカレーの魅力を韓国で伝える人が増えたこともあったのでしょう。韓国に入った日本のカレーは、韓国全土に広まっていきます。韓国の人々にも、日本のカレーは既に広く受け入れられていると考えられます。

韓国ではカレーをどのように食べるのか

地理的に近接している韓国ですが、やはり外国であり国が違いますから食習慣も違います。

カレーの食べ方の特徴として、韓国ではカレーをよく混ぜてから食べるという点が挙げられます。韓国では、食べ物はあらかじめよく混ぜてから食べる習慣があります。

メジャーな料理にも「ビビンバ」(混ぜご飯)や「ビビンネンミョン」(混ぜ冷麺)といった、その名前に「混ぜる」という言葉が入っているものが存在することが象徴していると言えるでしょう。

カレーを食べる場合も、食べる前によくかき混ぜるのが韓国式の食べ方です。日本では、ご飯とカレールーが分離した形のまま、スプーンを使って口まで運ぶことが一般的であることを考えると、この点は大きく違っています。

また、カレーの付け合わせも違います。日本では福神漬けやラッキョウが一般的ですが、韓国では大根や白菜のキムチが付け合わせとして出されます。韓国で食事をする場合にキムチは欠かせない存在ですから、カレーのときにもキムチを食べることは想像しやすいと言えます。

キムチ以外では、たくわんを付け合わせにすることもあります。韓国ではたくわんは広く親しまれており、食堂でもおかずの一つとして登場することが少なくありません。

日本のカレーと韓国のカレーの違い

韓国において存在感を増している日本のカレーとは対照的に、多くの日本人にとって韓国のカレーは身近な存在とは言えません。日本のカレーと韓国のカレーは、どのようなところが違うのでしょうか。

韓国のカレーを初めて目にした日本人は、まず間違いなく「黄色い」と感じるのではないでしょうか。それほどまでに、韓国のカレーと日本のカレーは色が違います。その理由は、韓国のカレーは黄色いウコンを多く使っていることが挙げられます。

またカレーのルーはとろみのある日本スタイルと違い、さらっとしています。切りそろえられた具がたくさん入っているところは、日本と共通しています。ただし、具材の形はしっかり残っており、日本のカレーに慣れている人には、野菜などはやや固いと感じるかも知れません。

味については、日本のカレーに親しんだ人は「ひと味足りない」という感想を持つ人もいますし、世代によっては昔のカレーを思い出すなど、日本のカレーとは少し違うものととらえる人が多いようです。辛さは基本マイルドで、トウガラシを多用したエネルギッシュな辛さをイメージする韓国の料理とは思えないかも知れません。

同じカレーであっても、それぞれの国に暮らす人たちが求める方向に発展した結果が、違いに表れていると言えるでしょう。

まとめ

日本とは違った形に発達したのが韓国のカレー文化です。著しい経済発展とともに日本との交流人口も増加し、日本のカレーに触れる人も増えました。日本のカレーは、韓国のカレー文化に新しい風を吹き込んだと言えそうです。

今や韓国全土で、日本のカレーを食べることができるようになりました。本物志向も強まっており、今後も日本のカレーの人気が高まっていくことに期待できそうです。

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