【シンガポール】ドン・キホーテで焼き芋「紅はるか」の売上増加 日本の焼き芋文化が世界へ広がるかも考察

皆さんはシンガポールで日本の焼き芋がブームになっているのを知っていますか?

シンガポールでは焼き芋の人気が年々上がってきており、焼き芋専門店もオープンしています。今回は、なぜここまで日本の焼き芋が人気になったのかを詳しく見てみましょう。

シンガポールのドン・キホーテで焼き芋が人気に?

日本ではおなじみのドン・キホーテが、2017年、シンガポールの「DON DON DONKI」にて日本の焼き芋販売を始めました。「できたての焼き芋が手軽に食べられる」と評判になり、今では30~1時間ほど並ばないと手に入らないほど人気になりました。

シンガポールで一番の人気のサツマイモは「紅はるか」です。「紅はるか」はその上質な甘さから「スイーツを食べているみたい!」と、シンガポールでも大人気になっています。香りも味も逸品なのでリピーターも増え、現地の人では週に1回、月に2回食べるという人が多数いるそうです。

購入時に香りと芋の色味を重点的に見る人が多い傾向なので、「紅はるか」が選ばれるのも納得がいきますね。焼き芋を店の前で販売することで、「紅はるか」の甘くて香ばしい匂いにつられる人も多いのでしょう。

焼き芋が人気の秘密とは?

シンガポールで日本の焼き芋がウケてる理由は、「日本産のサツマイモであること」「高値で販売されている日本食品に比べて、手頃な値段で買えること」が挙げられます。

日本産のサツマイモを使用している

シンガポールにあるドン・キホーテの売りは「日本食品が充実している」という点であり、焼き芋も日本産のサツマイモを使用することで人気が出ていると考えられます。

「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)は、2022年現在、シンガポール内に「DON DON DONKI」を12店舗展開しています。店内の商品は全て日本製または日本市場向けの商品であり、地元住民に支持されています。

コロナ禍で日本へ旅行ができなくなってしまったこともあり、シンガポールでは年々日本食品の売り上げが上昇しています。その中でも焼き芋はコロナ前に比べ売り上げがヒートアップしており、少しでも日本を感じたいという消費者が多いのでしょう。

手頃な価格で高品質な焼き芋が食べられる

海外で日本食品は高級品というイメージがあり、特に新鮮な野菜や果物は高価な値段で取り引きされています。

シンガポールで販売されている焼き芋は、低価格で販売されているのがポイントです。日本の美味しい焼き芋が100~200円と手ごろな値段で手に入るため、多くの人が焼き芋の美味しさを味わうことができます。

シンガポール人からすると、日本で販売されている焼き芋と同等の値段で食べられるのも魅力のひとつなのでしょう。

なぜ焼き芋がシンガポールに広まったのか?

そもそもなぜ日本の焼き芋がシンガポールに広まったのでしょうか?日本よりも暑い気候のシンガポールで焼き芋が人気になった理由について、詳しく見てみましょう。

きっかけはドン・キホーテでの販売

「ドン・キホーテ」などを運営するPPIHの担当者がシンガポールでどの日本食品が好評なのかを調査すると、焼き芋が特に支持されていたため、店舗で取り扱ってみることになりました。

いざ販売してみると、国内1店舗あたりの平均を軽く超えた15倍近くの本数を売り上げました。

1号店での販売が大ヒットした後、ドン・キホーテ全店舗で焼き芋が取り扱われるようになったようです。2017年にドン・キホーテで焼き芋の販売が始まり、数年経った今でも焼き芋の人気は年々上昇しているので、これからも焼き芋の需要は増えていくと考えられます。

あまりの人気で焼き芋専門店ができたことも

焼き芋人気が功を奏して、シンガポール空港内に焼き芋専門店もオープンしました。こちらの店舗は「屋台風」がイメージで焼き芋だけではなく、大学芋やサツマイモのミルクシェイクなど様々な商品を販売しています。いずれも連日列ができるほどの人気があり、空港内でも特に繁盛していたようです。

コロナの影響で空港を利用する人が減ったという理由もあり、現在は残念ながら閉店してしまいましたが、焼き芋の人気は今でも衰えていないので、違う施設での焼き芋販売が期待されています。

屋台風の小さい店舗でも長蛇の列ができるほど焼き芋を買い求める人が多くいるので、焼き芋専門店での販売は大成功であったと言えますね。

焼き芋はシンガポール以外にも広まるか

シンガポールで大人気の焼き芋は、他の国でも好評なのでしょうか?

すでに東南アジアでは焼き芋の知名度が上がってきていますが、アジア以外の国にも焼き芋が知れ渡るとさらに需要が高くなるでしょう。

ここからは、今後焼き芋がヒットすることが予想される国を紹介していきます。

タイ

熱帯地域であるタイでも焼き芋が人気であることをご存じでしょうか。シンガポールでは甘みのある「紅はるか」が好評ですが、タイでは「ふくむらさき」の焼き芋が人気です。購入時に香りや色味の他に、大きさと形を重視する人が多いので「ふくむらさき」の人気が高いのでしょう。

ドイツ

ドイツでは日本産の焼き芋の知名度がまだまだ低いのが現状です。現地スーパーでは甘みの少ないドイツ産サツマイモが販売されており、芋類の大好きなドイツ人はこぞって購入しています。

デュッセルドルフやフランクフルトなどの日本人が多く住む都市では日本食を提供するイベントが毎年開催され、日本から多くの日本食レストランやカフェが出店しているようです。

ドイツでは日本食ブームで特に寿司やおにぎりなどが人気となっていますが、日本のデザートはまだまだ知名度が低い現状があります。

サツマイモをスイートポテトやケーキ等にアレンジすると、ドイツ人に受け入れられやすいかもしれません。日本のサツマイモの美味しさが有名になれば、焼き芋も話題になること間違いなしです。

フランス

フランスでは高級品に値する焼き芋は、現地民にも人気が高いです。日本文化や日本アニメなどが浸透しているフランスでは日本食に対する評価が高く、積極的に和食を食べるフランス人が多くいます。

フランスのパリなど年中観光客が押し寄せる都市で日本の焼き芋を販売すると、世界中で焼き芋の知名度が上がるかもしれません。手軽に食べることができ、軽い軽食にもなる焼き芋は忙しいフランス人の中でもヒットするでしょう。

まとめ

年中夏のような気温のシンガポールで、秋の代名詞である日本の焼き芋が大ブームになっているとは思いもしませんよね。

コロナ禍でも売り上げがヒートアップしている日本の焼き芋が今後どのような経済効果を出すのか楽しみです。シンガポールでは日本のサツマイモの輸入率が年々上昇しているので、今後シンガポールを中心とし、世界に焼き芋の美味しさが伝わっていくのではないでしょうか。

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