2023年の訪日外国人消費動向調査、過去最高の消費額に
訪日外国人旅行消費額、国籍・地域別の最多は台湾
観光庁が1月17日に発表した「訪日外国人消費動向調査」によると、2023年通年の訪日外国人旅行消費額は、コロナ禍前の2019年比9.9%増の5兆2,923億円と、過去最高の消費額になりました。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
国籍・地域別では、台湾が7,786億円で最多、僅差で中国(7,599億円)と韓国(7,444億円)が続いています。それに続く米国(6,062億円)と香港(4,795億円)を合わせた上位の5カ国・地域で全体の63.7%を占めました。
費目別の最多は宿泊費
費目別の構成比をみると、最も多いのは宿泊費(34.6%)で、以下は買物代(26.4%)・飲食費(22.6%)・交通費(11.4%)となっており、コロナ禍前の2019年と比較すると、買物代の構成比が減少し、宿泊費が大きく増加しています。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
国籍・地域別では、米国を始め欧州各国やオーストラリアは宿泊費の比率が高く、台湾・中国・香港は買物代が最多の支出項目となっています。韓国は宿泊費が最多ではあるものの、飲食費の割合も高くなっています。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
1人当たりの旅行支出、2019年比で北米は増加、欧州は減少
訪日外国人(一般客)1人当たりの旅行支出は、2019年比33.8%増の21万2,000円となりました。
国籍・地域別で最も高いのはスペインの34万2,000円、次いでオーストラリアの34万1,000円、イタリアの33万6,000円となっており、2019年比の増加率で最も高かったのはイタリアでした。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
2019年比で訪日外国人旅行者数が最も増えたのは韓国で694.4万人、北米の米国・カナダがともに増加したのに対し、欧州の英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペインはまだマイナスとなっています。
同日、日本政府観光局(JNTO)が発表した市場動向の分析によると、コロナ禍で減少した日本路線の航空座席供給量は回復の途上にあり、人手不足等の課題があるとしています。
また欧州地域については、ウクライナ情勢で生じた飛行ルート変更によるフライト時間の増加が、訪日旅行の懸念材料になっていると分析しています。
訪日旅行者数が大幅に減少した中国については、2023年8月に水際対策が緩和され、日本行きの直行便数は前年同月に比べ回復傾向にあるとしています。
▼外部リンク
国土交通省観光庁「【訪日外国人消費動向調査】2023年暦年 全国調査結果(速報)の概要」
日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2023年12月および年間推計値)」