親日国ベトナムは輸出市場のねらい目か 日本食ブームでレストラン数も増加傾向

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ベトナムは現在、経済発展の真っ最中の国。国際協力銀行が行った「2016年度海外直接投資アンケート調査結果」では、有望事業展開先ランキング第4位となっており、ベトナム市場の大きさや成長性を感じている企業が多くあります。

そこでこの記事では、今後ベトナムは輸出市場の狙い目になるかどうかについて、解説します。併せてベトナムで人気の日本食も紹介するので、参考にしてください。

参考:国際協力銀行「中期的(今後 3 年程度)有望事業展開先国・地域(複数回答可)

ベトナムで日本食は受け入れられているか

ベトナムでは近年日本食ブームが起こっており、カテゴリ別の外食で1人当たりのベトナム人の1食分支出額は、日本食の額が1番高かった、と現地で報道されています。

その言葉を証明するように、現地の日本料理店では客層のほとんどが日本人ではなくベトナム人が占めています。

人気がある地域はホーチミン

ベトナムの中でも、1番日本食が人気な地域は「ホーチミン」。2017年時点におけるベトナムの日本料理店は770店舗程度でしたが、2020年には約2倍の1,500店舗に急増しました。

参考:ジェトロ「農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報

ベトナムには食堂や屋台が多く存在するので、日本食を扱っている食堂や屋台を含めると、日本食を食べることができる店はもっと多いと考えられます。

価格が高めで若者は少ない

ただし、日本食は価格が高めなので若者には敷居が高く、ベトナム人で日本食を食べているのは上位中間層から裕福層が多いようです。

味付けは地域の好みで

ベトナムでは、北部は中国の影響を受けやすいので味付けが塩辛く、中部は辛い味付け、南部は甘く濃い味付けと地域によって好まれる味付けが異なると言われています。

そのため、日本レストランがベトナムで開業する際には、現地の食材を用いて現地の人の好みにアレンジする傾向があります。

都市によって認知度に差がある

日本食の知名度は、「寿司・刺身」「うどん」はハノイよりもホーチミンの方が高いが、「たこ焼き」はハノイの方が高いなど、都市によって違いがあることも上記の調査で判明しています。

ベトナムが輸出市場のねらい目となる理由

ベトナムで日本食がブームになるほど好まれていることは分かりましたが、今後もベトナムは輸出市場のねらい目となると考えられます。

その理由には、次の5つが挙げられます。

東南アジアの中で1番親日

東南アジア諸国は親日であることが多いですが、中でもベトナムは親日度が高い国です。

2017年に外務省が東南アジア10カ国を含む19カ国に対して行った対日世論調査では、「最も信頼できる国はどれですか?」の問いに対する答え1位は日本でした。

そのため、日本の食品やレストランなどに拒否感・不安感を持っている人が少なく、受け入れやすい素地があります。

参考:外務省「平成29年度海外対日世論調査

経済がまだまだ発展しており安定感もある

ベトナムの経済は、1990年代に本格的に市場に参入して以来、GDP(国内総生産)は年6~7%と安定して増加しています。

貿易の自由化も進められており、貸付金利の引き下げや税制優遇措置も実施、政府が決めた1部の分野以外では外資100%進出が認められている、など積極的に外資を呼び込む政策を行っています。

コロナ禍であってもGDPはマイナスとならず、今度2050年までの年間GDP平均成長率は5%前後を維持できる、と考えられています。

日本製品に対するイメージが良い

ベトナムでは、「日本の製品は質が良く安全」というイメージが定着しており、コロナ禍においても、日本の店舗は安全・安心の対策を行っているだろう」と信頼を得ています。

ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシアの4カ国で、「ECサイトを通して日本商品を買いたいか?」という問いに、59.4%の人が「ぜひ買いたい」と回答しており、市場参入の際の大きなアドバンテージとなることが予測されます。

物価や雇用コストが低い

ベトナムではコーヒー栽培や米などの農業資源や観光資源が豊富ですが、物価は日本の約3分の1しかありません。

賃金に対しても同じで、現地で従業員を雇う際の賃金も安くてすみます。

それでいてベトナム人は真面目で勤勉、意識と質が高い若者が多いため、従業員を安心して雇いやすい、とされています。

味付けが日本と似ている

ベトナム料理は中国の影響を受けていて日本とも味付けが似ているところがあるため、受け入れられやすいと考えられています。

とくに似ているのが味付けに醤油を使うこと。ベトナムでは、料理の味付けに大豆醤油を使用します。

ベトナムで人気の日本食は?

最後にベトナムで人気の日本食を6つ紹介します。

寿司

寿司は今や世界的に人気が高い日本食の1つですが、ベトナムでも好まれています。

ただし、日本のように生で食べることができるネタが豊富ではなく、1番人気はサーモンでその他の生魚としてはマグロやイカなどがメインです。

また、生で食べることがNGの人も多く、油で揚げたものやマリフォルニアロールのようにマンゴーやアボガド、チーズを使いチリソースで味付けしたものなども好まれています。

ベトナム人と一緒に食事に行くのなら、食べるものが必ずある回転寿司を選ぶと安心です。

ラーメン

ベトナムではプンやフォー、たまご麺や春雨など、色々な種類の麺料理を食べるので、日本の麺類に対して抵抗がある人はほとんどいません。

中でも人気はラーメンですが、ホーチミンではこってり系よりあっさり系が人気です。

現地の人の好みに合わせて、ナンプラー、八角、コリアンダー、ニンニクなどでアレンジしたものも多くあります。

焼き肉・鍋

鍋と焼き肉もベトナムで人気の日本食ですが、日本と違ってこの2つはセットで食べることがほとんど。

ベトナムでは打ち上げにBBQが好まれますが、BBQのしめは焼き肉と鍋が定番です。

また、焼き肉店と鍋店が一緒になっていることも多く、焼き肉で肉を食べて飽きたら鍋を楽しみます。ちなみに鍋は中華の火鍋のようなS字鍋が多く使われています。

日本の焼き肉や鍋と違うのは、材料。魚や牛肉はもちろんのこと羊肉やヤギ肉も使われます。内臓も抵抗なく食され、鍋の具材の1番人気は脳みそです。脳みそは、鍋とは別にスープで煮たものが提供されています。

焼き鳥

鶏肉はベトナム人にとって食べ慣れている食材。ガイヤーンというタイ風焼き鳥もあるため、日本の焼き鳥も人気です。

日本風の味付けの店もありますが、ニョクマムやチリソースなどを使った甘辛くスパイシーな味付けにアレンジされたものも人気です。

たこ焼き

ホーチミンよりハノイの方が知名度が高いたこ焼きですが、ホーチミンでも人気の1品であることに違いはありません。

一見日本のたこ焼きそっくりですが、具にタコが使われていない方が多いです。よく使われているのが「チーズ」で、とろりと溶けたチーズを楽しみます。

その他には、キュウリ、玉ねぎ、人参、コーン、ホタテ、エビなどが使われているものもあります。中には、かつおぶしの代わりに刻みのりが乗せられているものも。

日本と同じくたこ焼きソースにマヨネーズで食べるものもありますが、ソースに韓国味噌のようなものが混ざっていて甘いたこ焼きもあります。

牛丼・カツ丼

牛丼やカツ丼も人気メニューの1つ。ベトナム人は日本の牛丼が大好きで、日本の大手チェーン店「すき家」がホーチミンで店舗を拡大しています。また、ベトナム人がオープンした牛丼店もあります。

ただし、ベトナムでは生卵は食べないので、牛丼に生卵を乗せて食べる食べ方はNGの人が多いそうです。

また、ベトナム人は豚肉も好んで食べます。甘辛い味付けが好きなベトナム人にとって、甘めのタレを卵でとじたカツ丼はおいしいと受け入れられやすいと考えられています。

まとめ

ベトナムは日本と違って経済がまだまだ発展していく国。それでいて物価も賃金も安いので、日本の農林水産物・食品の輸出や外食産業の進出の拡大が見込まれます。

この記事を参考に、海外への日本食の輸出を考えてみませんか?

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